蜜入りりんごの秘密

【蜜入りりんご】の秘密
蜜入りりんご
りんごの蜜の正体は?
りんごの蜜は、葉が太陽の光を浴びると、デンプンという栄養分ができます。このデンプンは水に溶けやすいソルビトール(グルシトール)というもに変化し、葉から枝を通ってリンゴの実に集まります。蜜の正体はこのソルビトールと水なのです。
ソルビトールとは?
ソルビトールとはブドウ糖の還元によってできる糖アルコールの一種で広く植物界に分布しています。海藻類、柑橘類やバラ科の果物(リンゴ、プラムなど)に含まれる天然の甘味料です。「蜜入りりんご」は熟度がすすんで、ソルビトールが果肉に蓄積された状態を言います。ソルビトールは砂糖の約60%の甘味度をもち、口中で溶ける時の吸熱により、さわやかな冷感があります。また、ソルビトールは、糖尿病患者用甘味料などにも使われています。甘味料として用いても、口腔内で細菌、酵素による有機_の生成がほとんど無いので虫歯の発生原因にはなりませんし、化粧品成分としては、グリセリンと同等の吸湿性があるため、肌の角質細胞に潤いをもたらす湿剤・柔軟剤に使われています。
りんごの蜜は甘いの?
りんごの蜜の正体であるソルビトールは砂糖の約60%の甘味度がありますが、枝を通って実に集まるソルビトールは酵素という物質の働きで砂糖の仲間である果糖やショ糖に変わっていきます。十分甘くなると、酵素の働きは弱くなりソルビトールのまま溜まります。それが蜜です。この段階になると蜜は甘く感じません。
【蜜入りりんご】はどうやって作るの?
樹上で十分実が熟すのを待ちます。いったん収穫してしまうと、蜜はできません。収穫した林檎をそのままにしても蜜が増えることもありません。本来は、「熟す」ギリギリまで収穫を待つのが理想です。りんごは果肉内の余分な水分を外に出そうとします。そのとき、気温が低くなると、りんごの実に水滴がつくようになります。この水滴によって実から水分が出にくくなり、結果的(けっかてき)に蜜ができやすくなります。青森県は11月半ばになると、雪やヒョウといったりんごの大敵が現れてきます。凍ってしまうと美味しくなくなってしまうので、寒さにも限度があります。
蜜はすべてのりんごの種類にあるの?
「つがる」や「ゴールデンデリシャス」などは蜜が入りにくい品種です。蜜入りりんごで有名な「サンふじ」や「スターキング」は蜜が入りやすい品種です。最近話題の【葉とらずりんご】は一般的に袋をかけないで栽培する「サンふじ」(葉とらずサンふじ)の品種で、りんごの周りの葉を取らずに、太陽の恵みをいっぱい受けたりんごとして栽培されます。実の周りの葉を取らないので、実の色に若干の色むらが生じますが、食味抜群のりんごとして人気が高まっています。
蜜入りりんごだと思ったら、蜜が入っていなかったのですが?
リンゴに蜜が入っているかどうかは、りんご栽培何十年のプロの生産者でも、外見からは見分けることはできません。当店のりんごはすべて、光センサーを用いて、蜜の状態、糖度、内部の障害(内部褐変)を確認した上で、発送いたしておりますので、保管方法に十分ご注意いただければ、少しでも長く蜜入りりんごをお楽しみいただけると思います。
蜜入りりんごの保管方法は?
穴あきビニール袋にいれ、理想は0度保存です。冷蔵庫などで保管する場合は、メロンやネギととの混入は避けて保存してください。